「まずはクラッチ握ります」 「うん」 「ギアを入れます」 「うん」 和也はそう言って単車にまたがらずにギアを踏むと、単車を手の力で軽く前に進めた。 「あとは単車を押しながらクラッチ離すだけ」 そう言って左手で掴んでいたクラッチを離すと、突然RZのエンジンが掛かった。 「あ、凄い、掛かった」 「簡単だろ? 多少、押す力が要るけど、万が一走ってる最中にエンストした時なら、ギア入れてクラッチ離すだけで掛かるから、それだけ覚えておきな」 「うん、わかった」