「お前、優しいな〜。
バックが千円とか、かなり良心的な値段じゃん。
普通はどこも二、三千円だぞ」
「まあね」
自分はこの件とは関係無いとアピールするかの様な口振りの七海さん。
問い詰めるまでもなく、このステッカーの元締めは七海さん本人だと、私はすぐに気付いた。
「末端はいくら跳ね上げても構わねえよ。
1枚2千円にすりゃ、お前らのポケットにも2万入るだろ」
「いや、でもウチら20人もダチ居ないので…」
真弓が苦笑いしながらそう言うと、麗子さんがボソッと口を開いた。
「北中のガキらにでも回せよ。
なんだか分けわかんねえ奴ら、いっぱい居るみてえだし」
「……。」
私も以前、牧村さん達にやられた、突っ張った後輩を見つけたら上下関係を分からせる為、呼び出したりヤキを入れたりするという、北中の悪い伝統。
それは私や真弓の代で終わらせた為、今は北中には男も女も中途半端に格好だけのヤンキーが何人も居た。



