一人、頭を悩ませながら久恵の家に着くと、私達は旗を持って久恵のお爺さんの部屋へ押し掛けた。
「爺ちゃん、旗に字書いて。
筆で」
「旗?横断幕け?」
「うん、そうそう」
「何を応援しよっとか?」
「ん、バイク乗る人」
「レーサーけ?」
「うん」
久恵がそう言って、袋から出した旗を畳の上に広げると、お爺さんは筆やスズリなどを用意し始めた。
「とりあえず、真ん中にデッカく平仮名で、ともしびって書いて」
「ともすび?」
「ともしび!」
「おむすび!?」
「と・も・し・び!!」
久恵が文字の大きさを教えながら、お爺さんは達筆な字で、旗の中心にチーム名を書き始めた。



