それから数日後。
私達は愛梨に教えられた、街中に在る作業服専門店に足を運び、特攻服を11着、購入した。
「気をつけなよー、お嬢ちゃん達」
「うーい」
若い頃はヤンチャだった臭い店員のオジサンに、久恵はそう言って紙袋を上げながら返事し、私達は店を出て歩き出した。
「さて、次は愛梨の家か。
面倒くせえから、街に呼び出して取りに来させねえ?」
駅へ向かう途中、久恵がボヤいた。
「療養中の病人を呼び出すなよ…
しかも、お願いする立場のくせに」
「電車代とか除いて、残金いくら?」
「ん…ちょっと待って」
私はそう言って、みんなのお年玉の残りやバイト代の貯金など、全財産をカキ集めた封筒の中身を確認した。
「3万位」
「つーことは、一着につき、3千円分しか刺繍は入れられないって事か。
あ、半額だから6千円分か」
「全部は使えないよ。
帰りに旗も買うし、ガソリン代も少しは残しておかないとだし」
「…はあ、金かかるな。
あと1万、爺ちゃんに借りよっかな」
「どうせ返さねえんだからやめとけ」
久恵や咲希に至っては、浪費癖が悪くて貯金が少なかった為、家族から借金をしてまで特攻服代などに回した。



