「ま、なにも暴走族だからって、変にイジル必要は無いよな。
シンプル・イズ・ベスト」
咲希はそう言って、3ページ目に書いた灯火という文字を、マルで囲った。
「あ、ならさ、
もっとシンプルなのあるよ」
「…?」
私はそう言って、咲希から奪ったペンをノートに向け、
平仮名で[ともしび]と書いた。
「ザ、シンプル」
そう言ってペンを置くと、みんなはノートを覗き込み、しばらくボーっと文字を見つめ、最初に久恵が口を開いた。
「平仮名の暴走族なんて聞いた事ねえけど、
案外、良いかもな。
名前を売るには」
続いて咲希が言った。
「そうだな。
不良はバカが多いし、難しい漢字にしても、読めない奴とか居そうだし」
続いて、ひみ子。
「やっぱり最後は、ちーちゃんで決まるね」
最後に、千春。
「じゃ、今日からウチらは、
ともしびという事で」
命名、ともしび。



