風吹君はそう言ったきり、淡々と麻雀を続けて黙り込んだ為、千春が風吹君に聞き返した。
「メイファンの事ですか?」
「……。」
手配を並べながら、タバコに火をつける風吹君の横顔にみんなが注目していると、
ふいに風吹君は、私達に語り始めた。
「二年前、ある建設会社の社長が、シャブ(覚せい剤)でパクられたんだけど、
その社長の弟ってのが、北帝連のバックで上の方の人間でよ、
当時、ウチのバックは資金繰りに困ってて、シノギも安定してない状態だったから、
いくら身内とは言え、構成員でもない自分の兄貴の為に大金を払うなんて事は、下の人間にも示しが付かなくて、上の人は頭を悩ませてた」
「…は?なんの話?」
「そんな時、
ウチのバックの事務所に、フラッと姿を現して、
捕まった人間の保釈金と弁護士費用、200万を、ポンっと出した女が居た」
千春が聞き返す。
「…それが、メイファンですか?」
「ああ。
ウチみたいにケツ持ちがしっかりしてるチームなんて、この街には少ないし、
人数も人数だけに、この街最強なんて言われてるけど、
メイファンはその件で、この街のトップである、俺らより上の立場に立つ事になった」
「…風吹君達より、上?」
「つまり、レディースだけじゃなく、
事実上、この街の男の暴走族を含めた、全ての不良達のトップになったって事。
メイファンはこの街を好き勝手に動く為、
二年前のあの一件で、先手を打ったんだよ」
「……。」



