美帆さんは多分、何か理由があって、この街の王に君臨したいんだ。
それだけは、なんとなく理解した。
「…何やってんの、千秋」
私はそんな事を考えながら、手にした特攻服の匂いを嗅いでいた。
「いや、なんか良い匂いする…」
「危ない奴め」
「いや、本当だって。
ほら」
「あ、本当だ」
私達が二人で特攻服の匂いを嗅いでいると、美帆さんが部屋へ戻ってきた。
「…何やってんの、二人共」
「いや、なんか良い匂いするんで」
「え、やめてよ…
洗濯してないんだから…」
美帆さんは苦笑いしながら、テーブルの上に紙袋を置いた。
「上の方のタッパーが、ぬか漬けとかお新香で、明太子は一番下ね」
「あ、はい。
ありがとうございます」



