私達の正面に座った美帆さんは、湯呑みに梅昆布茶を入れ、ポットでお湯を注ぎ始め、
ふいに千春が、部屋の隅に立てかけられたキャリーバッグに視線を向けた。
「旅行でも行くんですか?」
「ん?ああ、うん。
旅行って言うか、彼氏に会いに東京まで」
すかさず私が尋ねる。
「え?
彼氏って…東京にも彼氏居るんですか!?」
「うん、彼氏その3」
「…はは。
3番目の彼氏は何やってる人なんですか」
「外資系企業。
社長とかじゃないよ、
けど、頭が切れるし、海外の重鎮とも太いパイプを持ってるから、急な呼び出しでも行ってあげてるんだ。
偉いでしょ、私」
「いやいや、男は1人にしましょうよ…」



