「はい、残念」
「…うう」
それから何度も挑戦するが、何度やっても発進は出来ず、
ひみ子は再び挑戦しようとギアを入れ直した。
「もう無駄だって、
やめとけよ、ひみ子」
「最後ー、
これで失敗したら諦めるー」
すると、ひみ子はようやくコツを掴んできたのか、今までよりも丁寧にクラッチを繋ぎ、少しだけCBが進み始めた。
「…あっ、
そのままそのまま!
アクセルはそのままで、ゆっくりクラッチ緩めろ!」
「うにゅにゅにゅにゅ…」
次の瞬間、
奇跡的な繋ぎでCBが発進し、リングの方へと、ゆっくりと走り出した。
「おーーっ、
やったな、ひみ子!」
「ちーちゃん次はー!?」
「いや、ギアチェンはまだいいよ。
最初は発進の練習だけにしな」
「うん」
一速のままリングの辺りまで行き、私はひみ子に停車する様に促した。
「よし、止まれひみ子。
ブレーキ」
「うん」
次の瞬間、
ひみ子は自転車の癖が出てしまい、左手をギュッと握った。
「えいっ」
「それクラッチじゃね!?」
直後、私達は壁に激突した。



