駐輪場を出て歩き出すと、ひみ子が亜季ちゃんの隣にひょこっと並んだ。
「ねえねえ、
夜響美音って10回言ってみて」
「え…何でそんなこと言わないといけないんだよ」
「いいから言って。
まさか、自分のチーム名も言えないの?
総長さんなのに」
「…夜響美音、夜響美音、夜響美音、夜響びゅよっ…」
「あー!噛んだー!
総長さんのくせにー」
「か…噛んでねえし」
「噛みましたー」
「噛んでねーって言ってんだろ!」
「噛んだー!
男らしく負けを認めなよ。
そんなんだから風吹君に捨てられるんだよ」
「なっ…
何で、お前が風吹君の事を…」
「ふうたん、しつこいって言ってた」
「…そっか」
「おい、チビ姫、
あんまウチの総長イジメんなよ。
メンタルよえーんだから」
「わかった。
ごめんね、総長さん」
「…今は、反省してるんだよね…
声が聞きたくて、無言電話した事とか…」
「空回りだね。
相手の迷惑も考えなよ」
「…そうだよな。
たまに変な女が出てさ、何時だと思ってんだボケー、とか言われたけど、
きっと、呆れられて、新しい女にでも言わせてたんだろうな…」
「亜季ちゃんだったのかよ!!
ウチにかかってくる無言電話の犯人!!」
「…?」



