「桐島って言うのはね、
戸籍上、私の旦那に当たる人の姓」
「…戸籍上?」
「日本での永住権が欲しくてさ、お金を払って結婚したの。
顔を合わせたのは数回程度だから、お互い、素性はよく知らない」
「マジすか!?」
「結婚したからと言って、すぐに永住権の許可が降りる訳じゃないから、今はまだ申請中。
その間、警察のご厄介になる様な事をすれば、もちろん審査に影響が出るから、今は目立つ事も控えているの」
「ああ…
それで単車もメッタに乗らないって言ってたんですか」
「そういうこと」
いつの間にか、穏やかな表情に戻っていた美帆さんは、クスッと笑いながらメニュー表に手を伸ばした。



