その冷め切った目を見た時、目の前に居るこの人は紛れもなく、
この街を掌握しようとする女、
紫禁嬢の皇太后、メイファンだと改めて認識し、額から冷や汗が流れ出た。
「それから4年後、
そんな野心を後押しする様な出来事が、中国に強制送還された私を待ってたの」
「…出来事?」
「身元引受人の叔母に連れられ、6年ぶりに父親に会いに行ったら、
父親、私の姿を見た瞬間、カマに右手を伸ばしながら、よそよそしく愛想笑いしたの」
「……。」
「復讐されると思ったんだろうね。
私は別に、お金が無い苦しさを知っていたから、恨んだりもしてなかったんだけど、
なんか、その姿を見たら、色々と可笑しく思えてきて、思わず笑っちゃった」
「……。」
穏やかな口調だが、ゾッとする程冷たい目つきをする美帆さんは、
父親の事を思い出してか、クスッと小さく笑った。



