横に広い店内に、所狭しと置かれる単車を、私達は1台ずつ見て回り、
咲希や久恵がFXを見つけてまたがっていると、千春が1台の単車の前で足を止めた。
「…あ、これ好き」
千春の視線の先には、黒い125CCの単車が在った。
「CBか、
センスいいじゃん。
ワンツーファイブ(125CC)だから、女が乗るには丁度いいかもな」
風間さんがそう言いながら近づいてきた。
「これ、カッコイイですね。
乗りやすいんですか?」
千春が尋ねた。
「さあな。
単車には相性ってもんがあるから、それはバイク屋にもわからねえよ」
「相性…」
風間さんはクスッと笑い、CBのスタンドをガチャッと外した。
「気になったんなら、乗ってみろよ」
「あ、はい」
風間さんはそう言ってCBを外へ運び出し、私も千春に付いて行った。



