咲希が亜季を冷やかしていると、話を黙って聞いていた千春が、ふいに口を開いた。
「あんたらの世界の事は、よく分からないけどさ、
戦うとか、そんな回りくどい事しか方法は無いの?」
副総長が答える。
「方法?」
「例えば、あんたらの知り合いにでも、おっかない人の1人や2人、居るだろ、
そういう人に頼んで、メイファンの支配を止めてもらえばいいじゃん」
「そんな事が出来るなら、ウチらの先輩らだって、とっくにそうしてる」
「そんなにヤバい人なの?
メイファンのバックって」
「私も詳しくは知らねえけど、そんな単純な話じゃないらしいね。
ただヤバい人ってだけなら、同じ組織の身内とかにだって、話を通せなくもないだろうし」
千春に続き、私が尋ねる。
「じゃあ、どういう事?」
「だから、私もよく知らないって。
政治家とか警視総監のパパでも居るんじゃねえの」
「…パパねえ」



