「絵、上手だね。
将来の夢は、お姫様?」
ドレスを着た女の子の絵を書く妹に、私は尋ねた。
「これ、お姫様じゃないよ」
「え?お姫様じゃん」
私がそう聞き返すと、妹はクスクスと笑いながら、色鉛筆で色を塗り始め、
私達の向かいに座った美帆さんが、テーブルに頬杖を付きながら静かに言った。
「お姫様じゃなく、女王様だよね」
「…女王様?」
「ティアラじゃなく、王冠でしょ。
頭に乗ってるの」
「……。」
美帆さんに言われ、もう一度、絵をよく見てみると、
たしかに王冠らしき物が、ドレスを着た女の子の頭の上に乗っていた。



