駅前を出て歩き出すと、前を歩く千春が自動販売機の前で足を止めた。
「…あれ、金が入らん」
ジュースを買おうとした千春が百円玉を自動販売機に入れるが、何度やってもお金が落ちてきた。
「壊れてんじゃね?
そっちの自販機で買えば」
久恵がそう言い、私達はすぐ近くに設置された自動販売機へ移動した。
すると、
「あれ、また落ちてきた。
この百円が悪いのかな」
千春が入れたお金は、またしても入らず、千春が別の小銭を入れようと財布をポケットから出していると、自動販売機の右側を覗き込んだ久恵が何かに気づいた。
「なんだこれ。
開いてんじゃん、この自販機」
久恵はそう言って、半開きだった自動販売機をガチャッと開けた。



