あの日、キャッツに絡まれる私達を助けに入った女。
その女を見て、キャッツの頭が口にした名前が、メイファンだった。
「メイファン?
どっかで聞いた事あんな」
久恵がそう言い、千春がボソッと答える。
「前に会ったじゃん。
ニャンコに絡まれてる時、止めに入った綺麗な人」
「…ああ、あの人か。
でも、人違いじゃね?本人は否定してたじゃん。
全然レディースっぽくなかったし」
すると、左端に座る由真が、ボソボソと語り出した。
「メイファンに関しては、色々な噂が飛び交いすぎて、どれが本当かは分からないんです」
「どういう事?」
「メイファンはメッタに表に出て来ないから、本当はそんな女居ないんじゃねえのかとか、
中国人って言う人も居れば、名前はあだ名で、本当は日本人って言う人も居るんです」
「他に信憑性ある噂は無いの?」
「紫禁嬢は全員が黒い特攻服を羽織ってるんですけど、
流しで1人だけ紫の特攻服を羽織りながら、漆黒のGSを運転する女を見たって人が、何人か居ます。
その女が、メイファンなんじゃねえかって…」
「…漆黒のGS?」
「黒い単車です」
「…ふうん」



