日々、アオハル


ああ、付き合ったんだ。


心の中で呟く。上手く冷静を装いたいのに、沸々と黒い感情が沸き上がってくる。目を逸らしたいのに逸らせない、視界の中心に映る光景に私の心は大荒れだった。


「あの子、バスケ部の元マネだよ」

「え、てことは朱音も知り合いなんだ」

「まあ、大会で会ったら話す程度ではあるかな」

「三田第一ってうちのライバルじゃなかった? どうして柊くんがそこのマネと一緒なの?」

「付き合ってるんじゃない?」

「まじ……。ワンチャン、友達って可能性もない?」

「柊くんは女の子の友達を作るタイプじゃないでしょ」

「確かに。あの柊くんがわざわざこんなところに来るってことは……彼女かあ」


大きくため息を吐きながら机に項垂れる舞。私だってこの場に倒れこみたいくらい、心がぽっきり折れている。だけどそれに気付かれないように、ピンと背筋を伸ばした。


決して見たくはない光景に、もう一度目を向ける。


柊くんを見上げながら、柔らかな微笑みを浮かべる羽森さんの横顔が見えた。


やっぱだめかも。


幸せそうな表情の羽森さんとは違い、今の私は血の気の引いた能面のような表情をしているだろう。どろりと込み上げてくる黒い感情で窒息してしまいそうだ。