「まじでお前らうるさすぎ。いい加減にして」
うんざりとした様子で言葉を吐いた世那は、細めた目で俺らの顔を見渡した後、横に並ぶひなちゃんへと視線を落とす。
「……こいつらがうるさくてごめん」
「ううん。全然大丈夫だよ。けど、私たち目立っちゃってるね」
「そろそろ戻ろうか」
「待て待て待て待て!」
「世那もひなちゃんもごめんって!もうちょいここにいよーよー」
二人を制止する三宅と安達を再びジト目で見下ろす世那。ひなちゃんには溶けそうなくらい優しくて、糖度の高い眼差しを送っていたのに。
こんなにも表情をコロコロと変える世那を見るのは初めてで、どうしたって顔のにやけがおさまらない。
「なーなー世那。まじでひなちゃんのこと呼び捨てで呼んでんの?」
「だからそう言ってる」
「てっきり世那も ''ひなちゃん'' って呼んでんのかと思ってたわー」
「あ〜分かった!皆がひなちゃん呼びしてるから、その呼び方は嫌だったんだろ」
「あーね。特別な呼び方は彼氏の特権ってやつか」
「……だったらなんだよ」
図星だったらしい。


