「まさか二人もここにいるなんてびっくりだわー」
「うんうん。こんなとこで会うなんて偶然だよな」
「世那とひなちゃんに会えるなんてまじでラッキーすぎる」
「……偶然じゃないだろ。今日ここに来るってお前らには言ってたし」
「え~そうだった~?」
「いや、俺は聞いてねえよ」
「俺も俺も!波琉も聞いてねーよな?」
「んー……確かにそれは初耳だったかも」
「……」
俺らの茶番劇にうんざりした様子の世那とは反対に、ひなちゃんは口元を押さえながら小さく笑っていた。
「ふふ。本当に仲がいいんだね」
「……別に、普通だよ」
「それに、白石東の皆ってやっぱり面白いね」
「うざいだけだよ」
「そうかな?」
「こういうノリ、嫌じゃない?」
「ううん、全然。見てて楽しいなあって思うよ」
「それならよかった」
二人の間に流れる空気だけ異様なほどに澄んでいる。二人からマイナスイオンが出ている気さえしてくる。
俺らの前では決して見せることのない、優しい眼差しと優しい声色。大事そうにひなちゃんを見つめる世那の姿に、俺を含めて全員がぽかんと口を開けたまま固まっていた。
「あれ……世那くん。なんか、皆固まってる。私、何か変なこと言っちゃったかな……?」
俺らの空気を察知したひなちゃんが、心配そうな表情で世那を見上げた。
……ん?
「「「「せなくん?!!!」」」」
四人の声が一斉にハモった。


