日々、アオハル


世那とひなちゃんに向かって、ひらひらと右手を振った。世那の目がより一層細まる。


''なんでお前らがここにいるんだよ''


不服そうな顔からは心の声がダダ漏れだった。


俺らから視線を外したひなちゃんが顔を正面へと向け直すと、世那の表情は一転。纏う雰囲気さえも柔らかく穏やかなものになった。


「( 本当にべた惚れなんだなあ )」


これまで女子にまるで興味のなかった世那が、こんな風に変わるなんて。微笑ましい光景に口元が緩んでしょうがない。


何やら話し込んでいた二人は徐に席を立つと、こちらに向かって歩いてきた。ひなちゃんから見えていないことをいいことに、世那は背中に青い炎を背負いながら、俺らを威嚇するように眉を顰めている。


「お!ひなちゃんがこっちに来た」

「ひなちゃ~~~ん!」

「うわー。ひなちゃん、やっぱ可愛いわ」


そんな世那を一ミリも怖がる様子のない三人は、腑抜けた声を出しながらひなちゃんに夢中になっている。


俺らの席の前で立ち止まったひなちゃんは、少し恥ずかしそうに控えめな笑顔を浮かべた。


「お、お久しぶりです」

「「「おひさしぶりでぇす」」」


か細い声と共に丁寧にお辞儀をしたひなちゃんに、男三人はこれでもかと鼻を伸ばしていた。


「羽森さん。久しぶり」

「あ、大河原くん。久しぶり」

「よ、世那」

「……」