元々世那は、部活を引退したらひなちゃんに連絡をすると言っていた。ダメでもいいから、自分の気持ちをきちんとひなちゃんに伝えると。
それがまさか、ひなちゃんが東北大会の会場に応援に来てくれるなんて。誰も想像していなかった。これには俺も驚かされたし、世那は珍しく動揺しまくりで面白いことになっていた。
大会が終わってすぐ、ひなちゃんの待つ喫茶店へ向かう緊張気味の世那を皆で鼓舞しながら見送った。
その日の夜に《羽森さんと付き合えた。ありがとう》とメッセージで報告を受けた。これまでの世那の葛藤を思い出して、不覚にも泣きそうになった。それくらい、本当に嬉しかった。
月曜日の朝から、世那を皆で囲んでどんちゃん騒ぎをした。近隣のコンビニから買い占めた、両手で抱えきれない量のチョコ菓子を世那にプレゼントした。
「(本当に、よかったな)」
微笑み合いながら楽しそうに話をしている世那とひなちゃんの姿を遠目に見ながら、心の底からそう思った。
ひなちゃんに惹かれた経緯や世那の葛藤を誰よりも知っているからこそ、親友の幸せは本当に嬉しい。


