「私、柊くんのことを応援したくてここに来たんだ」
「うん」
「私はもう部活を引退しちゃったから、三田第一のマネージャーじゃないの。だから、柊くんのこと、ちゃんと応援することができる」
「…うん」
私はもう、ライバル校のマネージャーではない。今日の私は、他校のバスケ部員に恋をしていて、好きな人の応援をしに来たただの女子高生。
「今日は柊くんのことを、100%の気持ちで応援するね」
柊くんのことを心の底から応援できることが嬉しくて嬉しくて、その気持ちが表情に表れた。頬を緩める私を見つめる柊くんは、数回瞬きを繰り返すと「羽森さん」と私の名前を呼んだ。
「はい」
「……これ、夢じゃないよね?」
「ええ、夢じゃないよ!」
「まじ?」
「まじ!」
「俺に都合が良すぎてこわい」
あまりにも柊くんが疑うから、「(あれ…?これって現実だよね?私の夢の中じゃないよね…?)」と私まで一瞬分からなくなってしまった。
試しに頬へと手を伸ばして、親指と人差し指でむぎゅっと摘んだ。うん。ちゃんと痛い。
「柊くん、大丈夫だよ!ちゃんと痛いから、これは夢じゃないよ」


