日々、アオハル

 
大河原くんの言葉に、胸がきゅうっと締め付けられた。


頭を上げた大河原くんは、優しい表情で口を開く。


「世那ってさ、昔っから省エネ人間なんだよね」

「あ、前にうちのメンバーも話してたかも。柊くんは省エネっぽいって」

「はは、まじ。でもほんと見た目通りなんだよ。バスケには全力だけど、他のことには基本的に無頓着」

「そうなんだ」

「あいつ、学校で女子と喋ることなんてほとんどないからね」

「えっ、そうなの」

「そうなの。羽森さんに対する行動とか態度とか、世那は他の子には絶対しない。不器用だけど、羽森さんに対しては世那なりに真剣に向き合ってる」


初めて話しかけてくれた日のこと、電車の中でいろんな話をした日のこと、さっきここで話したこと。私だけが常にいっぱいいっぱいだと思っていたけど、柊くんも一生懸命話してくれていたんだとしたら……愛おしさで胸がいっぱいになる。


「もちろん、さっき言った通り、羽森さんの気持ちが一番大事。だから水戸の話を聞いて、クリスマスに世那と会うのはちょっと、って思うんだったらそれはしょうがないと思う」

「……」

「ただ、羽森さんが世那と会いたいって思ってくれてるなら、俺は行ってほしい」


大河原くんの言葉に小さく頷けば、「俺は世那と羽森さんの味方だからね」と優しい笑顔を向けてくれた。



大河原くんが立ち去ってからも、私はしばらくその場から動けないでいた。水戸さんの言葉と大河原くんの言葉、相対する2つが頭の中でぐるぐると渦を巻く。


左手のホッカイロをぎゅっと握りしめる。


柊くんからもらったそれは、もう温かさを感じなくなっていた。