日々、アオハル


声を荒げたり語気を強めたりすることなく、終始落ち着いていた大河原くんは、諭すような口調で話していた。


感情的にならず、相手の意見を受け止めながらも自分の意見も的確に伝える。キャプテンらしい立ち振る舞いに流石だなと思う。


水戸さんは納得したのかしていないのか分からない表情で「わかった、ごめん」と地面に言葉を落とすと、風のように立ち去っていった。


水戸さんと気まずくなってしまった。引退まで会う回数は僅かとはいえ、気が重い。肩の力が抜けた私は、無意識のうちにため息を漏らしていた。


「羽森さん?」

「あっ、あの、本当に助かりました。ありがとう」


持っていたジャグを地面に置いて、丁寧に頭を下げた。見上げた先の大河原くんは、いつも通りの穏やかな表情に戻っていた。


「もう大丈夫?……ではないよね」

「大河原くんが間に入ってくれたから、なんとか……」

「俺が出しゃばるのもどうかなって思ったんだけど、流石に黙ってられなくてね」

「でも水戸さんが言ってることは、その通りだから」


言葉を一旦詰まらせると。大河原くんはじーっと私の瞳を覗き込んできた。まるで心の中を読み取ろうとでもするように。