クリスマスという特別な日に柊くんに会える。
嬉しくて嬉しくて、舞い上がりそうな気持ちを抑えながら、クリスマスまで残り20日、残り19日、とカウントダウンしながら毎日を過ごす私は、確実に浮かれていた。
浮かれまくっていた。
マネージャーとしての立場とか、バスケ部の皆への罪悪感とか、向き合わなければいけない現実や気持ちから一旦目を背けた。
クリスマスが終わったら、しっかり考えようと。だから今だけは夢を見させてほしいと……そう思ってしまった。
「――ひな、これ何」
そんな浮かれた私を、神様は見逃してはくれなかった。
目を見開かせる私の正面、光希の手に握られているのは、水色のハチマキ。
「何でひなが柊のハチマキを持ってんの?」
「……」
クリスマスまで2週間をきった日曜日の今日は、光希も一緒に1番目のお兄ちゃんの運転でショッピングセンターに買い物に行く予定だった。
クリスマス用の新しい服と、柊くんに渡すプレゼントを買おうと、朝から浮かれていた。
早めに我が家へ来ていた光希は「スマホの充電器貸してー」と私の部屋にやってきた。化粧中だったこともあり、「そこのキャビネットの1番上に入ってるから自分で取って」と伝えた。
そのキャビネットには、交換した柊くんのハチマキが入っていたのに。


