妖怪たちはいい案だと頷くと、挙手で確認をすることにしました。
「相談したほうがいい人、じゃなかった。いい妖怪?」
のっぺらぼうと、ろくろっ首は無言のまま手を上げます。
狸は手を上げたかったのですが、お地蔵様に化けていることがばれると思い、我慢しています。
手を上げなかったのは、ノリオくんと、傘お化け、お地蔵様に化けた狸です。
「では、相談しないほうがいいと思う妖怪?』
手を上げることができたのは、ノリオくんだけでした。
狸はお地蔵様になりすまし、涼しげな顔をしています。
傘お化けは、一点を見つめ、無言で立ち尽くしていました。
多数決の結果、仙人様に相談することにしました。
「でも仙人様には、どのようにしたら会えるのだろう?」
ノリオくんと妖怪たちは、腕を組み首をかしげ考えていると、近くにはハゲ頭の長い髭を生やした老人の姿がありました。
ノリオくんはたづねました。
「あなたはもしかして仙人様ですか?」
「いかにも。有名な作品みたいに、油のような夕日の光の中に現れなかったが、まさしく仙人じゃ。しかし少年よ、わしは仙人は仙人でもな、すごく偉い仙人様なんじゃぞ」
ノリオくんは、言葉を訂正します。
「そうですか、あなたがすごく偉い仙人様ですか」
仙人はその言葉を聞くと、細めた目で見つめていました。
「うむ、実に物分かりの良い少年じゃ」
仙人はそう話すと、ノリオくんに板ガムを差し出しました。
それを見ていた妖怪たちも、同じことを話します。
「あなたがすごく偉い仙人様でありんすか」「偉い。仙人様」
仙人は妖怪たちを見つめた後、残り少ない板ガムをかぞえ、それぞれに配ります。
ろくろっ首は手のない傘お化けに、のっぺらぼうは、お地蔵様姿の狸に食べさせてあげています。
笑顔でその行動を見つめていた仙人は、一段落すると再び話しました。
「そうじゃ。そして、一人でも仙人じゃ。なんちゃって」
一瞬、世界が凍るような静けさが訪れましたが、妖怪たちは大声で笑い始めました。
ろくろっ首と、のっぺらぼうは、お腹を押さえながら笑い、転げ回っています。
傘お化けは声を出さないまでも、目をつむり笑っているようです。
お地蔵様に化けた狸も、表情を変えないよう我慢していましたが、口元を震わせていました。
仙人はゴソゴソと、懐の中を手探りしながら、取り出した飴玉をみんなに配りました。
「ところで、わしに会いたかったようじゃが」
「はい、世界で起きている様々な問題を、解決したいと考えているのですが」
「そうか、頑張れよ」
「でも、どうしていいのかわからなくて、できれば誰も傷つけることなく、仲良しになる方法を教えて欲しいのですが」
「贅沢なやつじゃのー。そんな都合のいい方法を知っていれば、すでに誰かがやっているぞ」
仙人の言葉にみんなはうつ向き、つぶやいていました。
「仙人様でも、ダメですかー」
「ダメでありんすね、仙人様でも」
「ダメ仙人」
傷ついた仙人は、慌てて持参していたエコバックの中を探し始めました。
「でも仲良しになる魔法の道具なら持っているぞ、少年にうってつけの剣を授けよう」
そう話し取り出したのは、桃色に輝く剣でした。
ノリオくんは受け取ると、侍のようなポーズをとっていました。
「これこれ、まず説明を聞きなさい」
のっぺらぼうは、仙人の着物の裾を引っ張ると、手を出し話します。
「僕も欲しい」
「うーん、この剣は、この世に一本しかないからのー」
仙人はゴソゴソと懐を手で探ると、オタ芸で使うサイリウムを手渡しました。
仙人は、咳払いを一回「ゴホン」っとすると、説明をし始めました。
「よいか少年。この剣はラブソードと言って、その名のごとく、どんな感情も愛情に変える魔法の剣じゃ」
ノリオくんは、のっぺらぼうとチャンバラをしていました。
「こーれ、話はまだ途中じゃ。それと後でわしも仲間に入れてくれ」
仙人は、もう一度咳払いを一回「ゴホン」っとすると、説明の続きを話します。
「一回叩き、好きになって欲しい人の名前を言うと、その人のことを好きになり、もう一度叩くと、恋が冷めるから、覚えておくように」
ノリオくんは説明を聞くと、半信半疑で仙人様をラブソードで叩いていました。
そして名前を言います。
「カラス」
その言葉に仙人の目がハートの形に変わると、カラスに抱きつき、メロメロになっています。
「本当だ、すごい効き目だ……でも、これも強制的な感じがする」
考え込むノリオくんに、のっぺらぼう達は話しました。
「愛は世界平和、愛は世界平和」
ノリオくんは仙人様とカラスを再び確認すると、悩みながらも、妖怪たちと江戸の町に出かけました。
「相談したほうがいい人、じゃなかった。いい妖怪?」
のっぺらぼうと、ろくろっ首は無言のまま手を上げます。
狸は手を上げたかったのですが、お地蔵様に化けていることがばれると思い、我慢しています。
手を上げなかったのは、ノリオくんと、傘お化け、お地蔵様に化けた狸です。
「では、相談しないほうがいいと思う妖怪?』
手を上げることができたのは、ノリオくんだけでした。
狸はお地蔵様になりすまし、涼しげな顔をしています。
傘お化けは、一点を見つめ、無言で立ち尽くしていました。
多数決の結果、仙人様に相談することにしました。
「でも仙人様には、どのようにしたら会えるのだろう?」
ノリオくんと妖怪たちは、腕を組み首をかしげ考えていると、近くにはハゲ頭の長い髭を生やした老人の姿がありました。
ノリオくんはたづねました。
「あなたはもしかして仙人様ですか?」
「いかにも。有名な作品みたいに、油のような夕日の光の中に現れなかったが、まさしく仙人じゃ。しかし少年よ、わしは仙人は仙人でもな、すごく偉い仙人様なんじゃぞ」
ノリオくんは、言葉を訂正します。
「そうですか、あなたがすごく偉い仙人様ですか」
仙人はその言葉を聞くと、細めた目で見つめていました。
「うむ、実に物分かりの良い少年じゃ」
仙人はそう話すと、ノリオくんに板ガムを差し出しました。
それを見ていた妖怪たちも、同じことを話します。
「あなたがすごく偉い仙人様でありんすか」「偉い。仙人様」
仙人は妖怪たちを見つめた後、残り少ない板ガムをかぞえ、それぞれに配ります。
ろくろっ首は手のない傘お化けに、のっぺらぼうは、お地蔵様姿の狸に食べさせてあげています。
笑顔でその行動を見つめていた仙人は、一段落すると再び話しました。
「そうじゃ。そして、一人でも仙人じゃ。なんちゃって」
一瞬、世界が凍るような静けさが訪れましたが、妖怪たちは大声で笑い始めました。
ろくろっ首と、のっぺらぼうは、お腹を押さえながら笑い、転げ回っています。
傘お化けは声を出さないまでも、目をつむり笑っているようです。
お地蔵様に化けた狸も、表情を変えないよう我慢していましたが、口元を震わせていました。
仙人はゴソゴソと、懐の中を手探りしながら、取り出した飴玉をみんなに配りました。
「ところで、わしに会いたかったようじゃが」
「はい、世界で起きている様々な問題を、解決したいと考えているのですが」
「そうか、頑張れよ」
「でも、どうしていいのかわからなくて、できれば誰も傷つけることなく、仲良しになる方法を教えて欲しいのですが」
「贅沢なやつじゃのー。そんな都合のいい方法を知っていれば、すでに誰かがやっているぞ」
仙人の言葉にみんなはうつ向き、つぶやいていました。
「仙人様でも、ダメですかー」
「ダメでありんすね、仙人様でも」
「ダメ仙人」
傷ついた仙人は、慌てて持参していたエコバックの中を探し始めました。
「でも仲良しになる魔法の道具なら持っているぞ、少年にうってつけの剣を授けよう」
そう話し取り出したのは、桃色に輝く剣でした。
ノリオくんは受け取ると、侍のようなポーズをとっていました。
「これこれ、まず説明を聞きなさい」
のっぺらぼうは、仙人の着物の裾を引っ張ると、手を出し話します。
「僕も欲しい」
「うーん、この剣は、この世に一本しかないからのー」
仙人はゴソゴソと懐を手で探ると、オタ芸で使うサイリウムを手渡しました。
仙人は、咳払いを一回「ゴホン」っとすると、説明をし始めました。
「よいか少年。この剣はラブソードと言って、その名のごとく、どんな感情も愛情に変える魔法の剣じゃ」
ノリオくんは、のっぺらぼうとチャンバラをしていました。
「こーれ、話はまだ途中じゃ。それと後でわしも仲間に入れてくれ」
仙人は、もう一度咳払いを一回「ゴホン」っとすると、説明の続きを話します。
「一回叩き、好きになって欲しい人の名前を言うと、その人のことを好きになり、もう一度叩くと、恋が冷めるから、覚えておくように」
ノリオくんは説明を聞くと、半信半疑で仙人様をラブソードで叩いていました。
そして名前を言います。
「カラス」
その言葉に仙人の目がハートの形に変わると、カラスに抱きつき、メロメロになっています。
「本当だ、すごい効き目だ……でも、これも強制的な感じがする」
考え込むノリオくんに、のっぺらぼう達は話しました。
「愛は世界平和、愛は世界平和」
ノリオくんは仙人様とカラスを再び確認すると、悩みながらも、妖怪たちと江戸の町に出かけました。



