神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

「うぴゃあっ!?」

これには、ビビリのシルナが悲鳴を上げていた。

俺もちょっとびっくりしたし、シュニィもビクッ、となってた。

当たり前だ。

天井が丸くくり抜かれて、そこから、さながらミノムシのごとく、糸で吊るされたすぐりが降りてきた。

更に、セットで令月も。

「…何やってんだ、お前ら」

「…?何こっち見てんの?」

見るに決まってるだろ。天井裏から人間が生えてきたんだぞ。逆さまで。

ホラー映画かよ。

「なんか面白そうな話してるなーと思って、二人で潜んでたんだよ」

潜むな。

「お前らな…。これは遊び事じゃないんだぞ。面白いなんてことは…」

「え?面白いじゃん」

「僕達が役に立てそうだと思って」

…何だって?

「…お前ら、いつから聞いてた?」

「『八千代』、いつからだっけ?」

「学院長が、『ふっふっふー、じゃーん!』って言ってた時」

めっちゃ冒頭じゃん。

まさか…あの時から聞いてたなんて。

じゃあ、シルナがなっさけない台詞でお菓子屋にチョコを懇願してた経緯も、聞いてたんだな?

「ねぇ、それよりさー」

おい、すぐり。「それより」って何だ。

すぐりは、シュニィの方を向いた。

「その演劇会って、俺達がやっても良い?」

「えっ?え…えぇ、それは…」

これは、思ってもみない申し出だった。

いやお前達、授業は、と言いたいところだったが。

幸い、明日は休日。授業は休みである。

俺にもシルナにも、演劇なんてとても出来ない。

他にやってくれる人がいるなら、正直マシュリの手、いや猫の手でも借りたい。

「そ、それは良いけど…。すぐり、令月。お前達、劇なんて出来るのか?」

「任せてよ。暗殺が出来るのに、劇が出来ないなんてことある?」

そ、そう言われても。

「僕達の腕の見せどころだね」

「よーし。そうと決まれば準備しよっかー」

「不死身先生、借りても良い?」

え、ナジュ?

「い…良いと思うけど…」

「それと、ツキナとー、マシュリにも協力して欲しいな」

「そ、そうか…」

後でナジュに聞いてみたところ、「お安い御用です!」とのことだった。

ツキナとマシュリも、快諾したとか。

それは良いとして。

…で、お前達、一体何をするつもりなんだ?