神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

「お前な…。…それはそれで、バレたらイレースに叱られるぞ」

良い大人が情けないことをするな、って。

怒られても知らないからな。俺関係ないから。

しかし、シルナは涼しい顔。

「大丈夫だよ。イレースちゃん、今日出張だから」

あぁ…そういえばそうだったな。

シルナのこの余裕は、イレースが学院に不在だからというのが大きな理由なのだろう。

今日のイレースは、全国魔導教育委員会の定例会議に出席している。

恐らく、帰りは明日になるだろう。

その為、鬼の居ぬ間に洗濯、じゃないが。

イレースの居ぬ間にチョコ三昧、してるのだろう。

…帰ってきてから怒られてしまえ。

「はー、チョコ美味しい。はー、幸せ〜!」

「…はいはい…」

「羽久も食べて、ほら!」

「はいはい…」

幸せそうで結構。




…と、思っていると。

突如として、学院長室の扉がノックされた。

「学院長先生…。失礼します」

「ほぇあっ!?」

ノックの後に扉が開くなり、シルナは驚きのあまり、片手に持っていたチョコの箱を取り落とした。

ばらばらと、床に落ちる高級チョコ。

…あーあ…。もったいな…。