神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

良かった、と思った。

お父さんは、私の味方だった。

そう分かった私は、自然と緊張が解け。

自分の想いを、正直に口にした。

「学校のことだけじゃない。私…このままじゃ不安なの」

「不安?…何が?」

「自分の力のこと…。私はDランク適性だって言われたけど…。本当は、そうじゃなかった気がするの」

「…」

お父さんは驚いた顔で、言葉を失っていたが。

私は、思いの丈を語り続けた。

「昔は…小さい時は…もっと強い力があったような気がする。だけど…いつの間にか、それが失われて…」

「いつの間にかって…」

「小さい頃…。…そう、私が病気で死にかけた、あの時」

あれが、私の人生のターニングポイントだった。

多分…きっと、そうだ。

「あの時…神様が私の手を引いて…」

「あぁ…。お前は昔から、そんな話をよくしてたな…」

お父さんも覚えていてくれたようだ。

「あの時一緒に…私の力を持って行っちゃったのかな…」

「…」

「私をこの世に戻す代償に…。…そうじゃないのかな?」

そう。きっとそうだ。

だから、1歳の時の適性診断では、Sランクだったけど。

病気をした後、2歳以降…今の私は、Dランク適性に落ちてしまった。

それはあの時に、神様が私の力を持って行っちゃったから。

そう思えば、辻褄が合う。

「きっとそうだと思う」

「…旧世代の神が…そんなことをするはずが…」

「え?」

「…いや、まぁ、お前がそう考えるなら…。そういう考え方も出来るな」

と、お父さんは無理矢理納得させるように呟いた。

「お前の考えは分かったよ、ベルーシャ」

「…信じてくれる?」

「もちろんだ。自分の子の言うことを疑ったりしないさ」

…良かった。

誰にも理解してもらえないも思っていた。でも…そうじゃなかった。

お父さんは、ちゃんと私を信じてくれた。

「どうすればお前の為になるか、もう一度よく考えてみる。少し時間をくれないか」

「うん…。…分かった」

それまでは、もう少し…頑張ってみるよ。

「ほら、もう遅い。そろそろ部屋に戻って寝なさい」

「あ、うん…。分かった」

私は、座っていたソファから立ち上がった。

「おやすみなさい…お父さん」

「あぁ、おやすみ」

悩みが尽きないせいで、ここ最近はずっと、眠りが浅かったけど。

今夜は、よく眠れそうだ。

やっぱり、お父さんに相談して正解だった。

…その時は、そう思っていた。