神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

「そんなことが…」

とても信じられなくて、私は思わず否定してしまいそうになったが。

「出来るんだ。今の人間…今の魔導師なら」

お父さんは、自信たっぷりにそう言った。

「神はかつて、人間を創り、世界を創った。だが叡智を育んだ人類は、最早神の力を必要としない」

「…」

「神に創り出されるのではなく、神を創り出すことに成功したんだ。…と言っても、まだ研究段階で、これらは全部試作品なんだが」

…あ、成程。

それで、こんな人のなりそこないみたいな形をしてるんだね。

じゃあ、この研究が完成すれば…。

「本当の神様が出来るの?人の手で…?」

「旧世代の神ではなく、人の手によって創り出した、新しい神を創造する。…それが、父さんと母さんと…それから、研究所の悲願なんだよ」

「…」

私達人類を創った神様より、更に進化した神様を、人の手で創り出す。

人が…神を、越える。

「そんなことをしても良いの…?」

「ん?」

「だって…神様は、誰にも…」

「支配されない、か?それは古い考え方だよ、ベルーシャ」

…。

「成長した子が、いつか親を越えるように。俺達人間は、創造主である神を越えるんだ。何も不自然なことはないだろう?」

「…それは…」

「旧世代の神なんて、最早この世界には必要ない。だから、新しい神を創り出すんだ。今度は、人の手によって」

「…」

それはとても危険なことだよ、って。

そんなことしちゃ駄目だよ…って、そう言えれば良かった。

だけど、私には言えなかった。

この先に起こることを、私はまだ知らなかったからだ。