神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

…なんでこんなことになってしまったんだろうって、いつも考える。

私はDランクの魔導適性。学校にいるみんなは、Sランクの魔導適性。

私の妹と両親はAランク。

そして、今お母さんのお腹の中にいる弟か妹も、出生前魔導適性診断では、Sランクと判定された。

でも、私はDランクの魔導適性。

私には誰も期待していない。だってDランクだから。

かつては私も期待されていた。…Sランクだったから。

だけど今は…私はクラスメイトに同情される存在。見下される存在。

…私はDランクの魔導適性だから。

私がDランク判定を受けた時、両親はもちろん、私が一番驚いた。

どうして?って思った。

私の魔導適性は、Dランクではなかったはずだ。

生まれる前に、そう診断されたからではない。

魔導適性のランクが下がっていることを知らされて、初めて。

私は、自分の力が失われていることに気づいたのだ。

そうだ。私は幼い頃…幼い頃はもっと…強い魔力を持っていた。

…はず、なのだ。

だけど、何故か今は、それらのほとんどが失われている。

私の魔導適性のランクが下がってしまったのは、多分、そのせいだと思っている。

私はそのことを、両親に話した。

私は本来、もっと強い力を持っていたはずだ。だけどいつからか、私の力の大半が失われてしまった。

Dランクに下がったのは、そのせいだと思う…と。

…でも、両親はまともに取り合ってくれなかった。

魔導適性ランクが下がってしまったことに対して、私が言い訳していると思ったのだろう。

私にしたって…自分は本当に昔はSランクの魔導適性を持っていた、なんて。

ただ感覚として…そんな気がする、と思っているだけで、確信がある訳じゃない。証拠もない。

魔導適性が何らかの理由で失われるなんて、そんな話は聞いたことがない。

私の訴えは一笑に付され、結局今も、私は自分の力を取り戻せず、Dランクのまま…。

Dランクだの、AランクだのSランクだの…聞いているだけで嫌になる。

どうして、人をランク付けする必要があるのか分からない。

こんなことは、決して他の人には…両親にさえ言えない。

だけど私は…優れた魔導適性を持つ者だけが優遇されるこの社会に、疑問を覚えていた。

私達の生活は、魔導の力によって成り立っている。それは分かっている。

だから、将来、社会の為に役立つ魔導師を育てることは、凄く大事なことなのだ。…それも分かっている。

でも、人間って、本当にそれだけで良いの?

私という人間の価値は、魔法の優劣によってのみ決まってしまうの?

…そんな風に思えてならないのだ、私は。

ねぇ、神様。

あなたは、生きることを諦めようとしていた私を、この世に連れ戻ってくれた。

それは、どうしてなの?

助けるだけじゃなくて、教えてよ。

私が進む道。私の価値。私が何の為に生まれてきた、その理由を。