神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

私はあの病気をした後、他の子と同じように、3歳で学校に入学した。

魔導学校である。

この学校は、希望すれば何処にでも入れる、というものではない。

1歳時での魔導適性診断をもとに、国が指定する学校に入らなければならない。

私は、Sランクと診断された子供だけが入学を許される、エリート校に入学した。

堂々とした、晴れ晴れとした入学式だったのを、今でも覚えている。

何せ、最高ランクの魔導学校に入学出来たのだから。

両親は鼻高々だったに違いないし、私の周りにいる他の子達も同様だった。

だけど…。期待に胸を膨らませていられたのは、入学式の時までだった。

そのことに、お母さんが酷く落胆していたのを、私は今でも覚えている。

お母さんにとっては、肩透かしを食らったようなものだろう。

両親の期待は…私ではなく、妹に。

そして、今お母さんのお腹の中にいる、Sランクと診断された3人目の子に移った。

それでもお父さんとお母さんは、私達姉妹のことを、平等に育てようとしていた。

お父さんとお母さん自身も、とても優秀な魔導師だから。

両親の期待を裏切ってしまった私に、酷く失望し、落胆し、育てることを放棄しても文句は言えないのに。

両親は私を励まし、魔導適性の結果に左右されず、努力してより上を目指すようにと、優しく言ってくれた。

心の中では、私に失望しているに違いないのに。

出来るだけ、それを態度に出さないようにしてくれているのだ。

…まぁ、今みたいに、たまにポロッと本音が出ることはあるけれど。

落ちこぼれの私を、こうして一生懸命育ててくれているのだから。

それに文句を言っちゃいけないよね。私は。

「まぁ、まだ生まれてみなきゃ分からないよ」

「そうね…。魔導適性診断の結果がどうであれ、私達の子であることに変わりはないわ」

そう言って、お母さんは自分のお腹を撫でた。

「元気に生まれてきてくれれば、それで良いのよ」

優しい母親の言葉。

…だけどそれは、まるで自分に言い聞かせているように聞こえた。

元気に生まれてきてくれれば、例えDランクの烙印を押されても良い。

同じように、平等に育てるべきだ、と。

「…」

お父さんとお母さんに、気を遣わせているような気がして。

私は、とても申し訳なかった。

普段口に出さないだけで、二人がどんなに私に失望しているか、分かっていたからだ。