神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

その日の夜。

「さて…今夜は何か出てくるかな…」

呟きながら、俺は窓のカーテンを閉めた。

この際、手がかりになるなら何でも良い。

幽霊が出てくるなら、いっそ出てきてくれ。

「ジュリスー。ねぇジュリスー」

「何だよ?」

ベリクリーデは、小さなお皿を持ってきた。

「あのね、小麦粉ちょーだい」

「は?小麦粉?」

何で?

…食べんの?

さすがに小麦粉そのまま食べるのはやめた方が良い、と思ったが。

「おばけが来てくれるかなって」

「…?どういうことだ?」

「ほら、よくおばけが来る家に、白いものお皿に乗っけて、お部屋に置いてるでしょ?」

「あー…」

…もしかしてお前が言ってるの、それ、盛り塩のこと?

いや、あれは塩であって、小麦粉じゃねーよ。

それから…。

「盛り塩は、幽霊を追い出す為にするんだよ」

「えっ、そうなの?…じゃ、お砂糖を置いたら、おばけさんが来てくれるんじゃないかな」

それだと、来るのは幽霊じゃなくて、アリンコじゃね?

「お砂糖置いておこーっと」

ベリクリーデはキッチンに行って、砂糖入れから砂糖をスプーンで盛っていた。

「あ、コラ…。…まぁ良いか…」

…ちゃんとラップ、しておこう。

あとは…布団に横になって、深夜になるのを待つだけだ。