神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

ーーーーーで、その回転寿司に行った、数日後のこと。




その日、俺はいつも通り、定時後に隊舎の裏庭に向かった。

…何の為にか、って?

…バナナに水をやる為だ。

ほら、以前ベリクリーデがバナナジュースを欲しがった時。

クロティルダが、勝手に裏庭にバナナを植えただろ。

あれの水やりだよ。

バナナと言っても冥界産の品種だから、どう育てるのが正解なのか分からないが。

それに、クロティルダが勝手に植えてったとはいえ、バナナに罪はないからな。

とりあえず、水やりと肥料をやる、くらいのことはしてやろうと思って。

こうして、毎日仕事終わりに、バケツに水を入れて持ってくるのだが…。




「…えっ」

「…」

裏庭の、ベンチに座っている男がいた。

…。

…クロティルダである。

「…お前、何でいるんだよ?」

「…ジュリス・レティーナか」

最近の俺の悩みの種であり、この裏庭にバナナを植えた張本人であるクロティルダが。 

何故か、我が物顔でベンチに座ってくつろいでいらっしゃる。

…この不法侵入者め。