神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

ベリクリーデを無理矢理連行して、近くの飲食店に連れてきたのは良いが。

ここが何のお店なのか、俺も見ていなかった。

ミミズじゃなきゃ何でも良い、としか思ってなかった。

しかし…。

「おっ…」

店内を一見して、ここが何のお店なのか、すぐに理解した。

これほど特徴的な飲食店も、そうそうないからな。

「ジュリス、ここ何のお店なの?」

「ミミズを提供しているのか?」

してねーよ。ふざけんな。

「ご覧の通り。回転寿司だ」

と、俺は説明した。

そう。ベリクリーデを連れて、無理矢理入ったこのお店は。

回転寿司のチェーン店であった。

咄嗟に入ったにしては、結構当たりじゃん?

回転寿司に外れはねぇよ。

…しかし、ベリクリーデとクロティルダは。

「かいてん…ずし?…クロティルダ、知ってる?」

「回転寿司は知らないが、寿司は知っている。酢飯に生魚を乗せて食べる料理だ」

「ほぇー。クロティルダ、物知りだねー」

大抵誰でも知ってるわ。寿司くらい。

「いなり寿司、ちらし寿司、巻き寿司など、色んな種類の寿司があるそうだ」

「じゃあ、ミミズ寿司もあるかな?」

「あぁ。あるかもしれないな」

ねーよ。

寿司に対する風評被害やめろ。

「しかし、寿司は分かるとして、回転…というのが分からないな。寿司が回転するのか…?」

「きっと、くるくる回りながら食べなきゃいけないんだよ」

「成程、それで回転寿司か…。興味深い。食事をしながら三半規管を鍛えることが出来るんだな」

…などと、供述しており。

…このド天然二人、どうすりゃ良いんだ?

「しかし、何故人間はそんな苦境に、自ら挑戦しようとするのか…」

「むしろ、苦しい思いをするから、より美味しく感じるんだよ」

「成程。…そういえば、世の中には踊り食いという食べ方もあると聞いたことがある。踊りながら食事をする文化があるのなら、回転しながら食事をする文化があってもおかしくない」

という、アホ丸出しの会話をするベリクリーデとクロティルダを。

お店の店員さんが、ドン引きの表情で見つめていた。

「あの…お客様…?」

「何事も経験だ。回りながら食べる寿司がどんなものか、味わって確かめると良い」

「うん、そうするー」

「…お客様…」

…店員さん、困っちゃってるじゃないか。

アホ二人を押し退けて、俺が代わりに店員さんの相手をした。

「…ほんと済みません。席、空いてますか?」

「あっ…はい。テーブル席と、カウンター席が御座いますが…」

そうだな、どっちが良いかと考えていると。

「テーブルで回るか、カウンターで回るか…。どちらがより過酷だろうな」

「私、テーブル席で回る〜」

お前ら、ちょっと黙ってろ。

「じゃあ、テーブル席をお願いします」

再びベリクリーデを押し退けて、俺は店員さんに返事をした。

「あ、はい。それではこちらにどうぞ…」

…この店員さんら

変な客が来たな、と思ってるだろうな。

本当に申し訳ない。