神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

クロティルダが草刈りを手伝ってくれたお陰で、あっという間に任務完了した。

で、その任務の帰り道…。




「クロティルダ、凄いねー。草刈り得意なの?」

「いや、さすがに…。…今回が初めてだが」

「そうなんだ。初めてであの成果…。…やっぱり凄いねー」

「そんなことはない」

…当たり前のように、一緒についてきてきるクロティルダ。

ちっ…。お前もう用済みだから、帰れよ。

と言いたいところだが、クロティルダは今回の功労者なので、何も言えない。

目を瞑っておいてやるよ。

…はぁ。

…それはそれとして。

俺は、くるりとベリクリーデに振り向いた。

「そろそろお昼だが、折角外に出てきたんだし、何か食べて帰るか?」

「ほんと?やったー」

ベリクリーデ、両手を上げて喜びをアピール。

本来なら、今日の任務はもっと時間がかかると思っていたが。

思わぬ助っ人が来てくれたお陰で、随分と早く終わった。

少しくらい、寄り道しても許されるだろう。

それに、今から聖魔騎士団隊舎まで帰ってたんじゃ、お昼には遅くなってしまう。

折角外出しているのだから、たまには外食しても良いだろう。

たまの贅沢だな。

「ジュリス、そういうところも大好き」

「はいはい」

大袈裟、大袈裟。

すると、そんなベリクリーデの横にいたクロティルダは。

「…そうか。それなら、俺は消えるとしよう」

珍しく空気を読んだのか、クロティルダは姿を消そうとした。

しかし。

「えっ。クロティルダ、帰っちゃうの?」

「何?」

ベリクリーデは、途端に飼い主に置いてけぼりにされた子犬のように、不安そうな顔になった。

…。

「…帰っちゃうの…?」

「…」

…どうやらベリクリーデは、もう少しクロティルダと一緒にいたいらしいな。

…けっ。

俺個人としては、非常に不本意である。

正直、お前は要らないから帰れ、と声を大にして言いたい。

が、何度も言うように、クロティルダは今回の任務の功労者。

ベリクリーデも、まだクロティルダに帰って欲しくないみたいだし…。

…分かった。割り切るよ。

「お前も一緒に来いよ」

俺は、クロティルダにそう声をかけた。

「…それで良いのか?」

「良くはない。良くはないが…。…俺だって鬼じゃないからな」

恩を感じるくらいの気持ちはあるよ。

奢ってやるよ、昼飯。

天使相手に昼飯を奢るって、どういう状況だよ。ったく。

「そうか…。それなら、ご相伴に預かるとしよう」

「おぉ、そうしろ」

クロティルダがまだ帰らないと分かって、ベリクリーデも満足そうだった。

…けっ。