神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

俺は昔、『オプスキュリテ』という、
武器を専門に売買する地下組織の頭目をしていたことがある。

その際に、世界各地、様々な武器を目にしてきた。

でも、その剣を見るのは初めてだった。

あれって…。

クロティルダが、その銀色の剣を振るうと。

鞭のように刀身がしなり、ヘビのように伸びた。

その攻撃範囲は、俺の『魔剣ティルフィング』を遥かに超えていた。

たった一振りで、この広い空き地を一掃せんばかり。

刈り取られた雑草が、哀れに宙を舞った。

…すげぇ。

俺は、思わず呆気に取られてしまった。

俺とベリクリーデの二人で、一時間あんなに苦労したのに…。

…俺達の苦労って一体。

こんなことなら、もっと早く手伝ってもらえば良かった。

全部、こいつにやらせりゃ解決じゃん。

「クロティルダ、すごーい」

ぱちぱちと手を叩くベリクリーデ。

…奴が褒められているのはムカつくが、今回ばかりはぐうの音も出ないから、黙っといてやるよ。

ものの数分で、草刈り終了。

俺とベリクリーデは、熊手を使って、ひたすら刈り取った草をゴミ袋に詰めていった。

俺等に出来るのはこのくらいだよ。

「すごーい。あっという間に綺麗になったねー」

「…そうだな…」

こればかりは認めざるを得ない。

今回は、クロティルダに助けられた。…今回は、だけどな。




…とりあえず、今度から草刈りや稲刈りの依頼が聖魔騎士団に来たら。

その時は、迷わずにクロティルダを呼ぼう。

…え?天使に草刈りをさせるのかって?

うるせぇ。働け。