神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

…そうだ。

ネズミ、ミミズという言葉で思い出した。

「ベリクリーデ…」

「ふにゃ?」

「ベリクリーデにさ、何が食べたいかって聞いただろ?それで俺、本当にカエルの唐揚げをつくっ、」

「むしゃむしゃ」

「…食ってる…」

ベリクリーデは、何の抵抗もなく。疑うこともなく。

カエルの唐揚げを、むしゃむしゃ平らげていた。

…カエルの唐揚げ作ったんだけど、食べてみるか?って…聞こうと思ったのに。

どうやら、聞くまでもなかったようだな。

「…美味いか?それ」

「うん、美味しい。私が前食べたカエルよりずっと美味しい」

「そうか…」

カエルの唐揚げ、それにカエルのハニーマスタード風を食べて、ご満悦の様子のベリクリーデ。

「ぬめぬめして気持ち悪かったけど、頑張って捌いた甲斐があったよ…」

「これ、ジュリスが捌いたの?」

「そうだよ…。…さすがに、スーパーにカエル肉は売ってないからな」

「なんで?」

なんでって言われても…。

…食べないからだろ?みんな。

「じゃあ、田んぼで捕まえてきたの?言ってくれれば、私が捕獲しに行ったのに…」

そんなことしなくて良いって。

「いや…俺が捕獲したんじゃなくてそれ、クロティルダが…冥界で捕ってきてくれたんだ」

「…!クロティルダが?」

「あぁ。それを捌いて調理したんだよ」

「ほぇー」

ムカつく野郎だが、まぁ今回は目を瞑ってやるよ。

お陰で、ベリクリーデが喜んでるからな。

「凄い色してたぞ。メイカイガマガマガエル、だったか…」

「そっかー。前、クロティルダと一緒に冥界で食べたドブネズミも美味しかったもんな」

そんなもの食べるのはよしなさい。

あの天使…。ベリクリーデに奇妙なもの食べさせてんじゃねぇぞ。

「それから…デザートにフルーツも用意してあるんだが…」

「わ〜!うさぎさんだ」

うさぎりんごと、うさぎオレンジに大興奮。

更に、可愛いピックを使って、ハート型にカットしたいちごを、ひょいっと口に入れ。

ほにゃ〜ん、という効果音が似合いそうなほど、緩みきっただらしのない顔。

「美味しい。やっぱり私、ジュリスのこと大好き」

「はいはい、良かったな」

まったく。こんな顔されたら、どんな極悪人でも毒気を抜かれるだろうよ。