神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

クロティルダの手には、黄緑色の虫かごが。

その虫かごの中に、異様な生き物がいた。

「な、何だそれ…!?」

「これが、メイカイガマガマガエルだ」

それは、虹色にピカピカ光るカエルだった。

虹色の皮膚を持つ大小のカエルが、己の運命も知らず、虫かごの中でぴょこぴょこしていた。

うへぁ。

「キモッ…!それ、絶対毒があるだろ…!」

「大丈夫だ。毒はない」

「そんなこと言って、俺を騙そうとしてるだろ!?」

「何故、俺がそんなことをする必要がある?」

「あ、う、うん…」

そんな不思議そうに聞いてくるなよ。調子狂うだろ。

何でこいつ…。この悪意のなさが、妙にベリクリーデに似てるような気がして。

…余計に腹立つ。

「是非、これを調理してやってくれ」

「お前…。友達みたいな顔して話しかけてきてんじゃねーぞ」

「俺のことはどう思ってもらっても構わない。我が姫のことだけは信じてやってくれ」

…やめろって。

それだと、俺の頭が堅いみたいじゃないか。

お前が怪し過ぎるんだよ。何だその翼は。

…ちっ。

「…まぁ、受け取っといてやるよ」

俺は、虹色カエルの入った虫かごを受け取った。

良いか、これはベリクリーデの為だからな。

そうじゃなかったら、こいつの手なんか絶対借りるもんか。