神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

ベリクリーデにリクエストを聞いたら、余計ややこしいことになってしまった。

カエル肉なんて、何処に売ってんだよ。

一体何処から取り寄せれば良いのか。

こんなこと、絶対にベリクリーデには相談出来ない。

聞いたら絶対、あいつは。

「じゃあ捕まえてくるね」とか言って、近所の溝や田んぼや河に行って、カエルを手掴みで捕まえるという奇行に走るだろう。

聖魔騎士団の制服を着た若い女が、足まで田んぼに嵌まって、カエルを捕獲する…。

そのシュール過ぎる光景を想像して、思わず悶絶しそうになった。

絶対駄目。ルーデュニア聖王国民の皆さんに申し訳が立たない。

大体、食べても良いカエルは、ちゃんと養殖されている食用カエルだけだろ。

野生のカエルを捕まえて食べる奴があるか。

危険。危ない。

カエルって、寄生虫を持ってたり、皮膚に毒を持つ種類もいるから。

決して、不用意に触ってはいけない動物なのだ。

じゃあ…やっぱり、取り寄せるしかないか…。

時間…かかりそうだな。ベリクリーデには、しばらく待ってもらうことになりそうだ。

…。

それとも、この際、鶏肉をカエル肉だと偽るか…?

これは、あながちバレないかもしれない。

カエル肉は、意外と淡白な味で、鶏肉…鳥のささみ肉に味が似ていると言われている。

食品偽装は大罪だが、ベリクリーデ相手なら良いだろ。

ほら、唐揚げにすれば良いんだよ。揚げてしまえば、何の肉か分かりにくくなるだろ。

…とはいえ、万が一バレたら。

大好き(?)なカエル肉じゃなかったと知ったら、落ち込むかな…。

どうせなら、好きなものを作ってやりたい…。好きなものでキャラ弁を…。

「…うーん…」

と、考えていると。




「…何か悩み事か?」

背後から、そう声をかけられた。