神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

「聞いて良いか。どんなキャラ弁作ったのか」

「そうですね…。教えるのは構わないんですが…。…恥ずかしいです」

え?

「何だか大層なものを期待していらっしゃるようですが…。私の作ったお弁当なんて、凄く簡単なものなんですよ。本当に、子供騙しで…」

「良いんだよ、子供騙しで…」

ベリクリーデはあれだ。子供みたいなもんだから。

随分でっかい子供だな、おい。

「キャラ弁と呼ぶのもおこがましいような、簡単なもので…。ほとんど、市販のキャラ弁グッズを使ったものなんです」

「市販の…?グッズ?」

「はい。アイナが最近ハマっているアニメのキャラクターをモチーフにして…」

「へぇ、そんなのあるのか」

「はい。『美幼女魔女★まじかるうぃっち』っていうアニメなんですが…。…ご存知です?」

「…」

…なんか聞き覚えあるなぁ。

ベリクリーデと一緒に観たアニメ映画…。あれのタイトルと一緒だ。

「お恥ずかしながら、私、料理はあまり得意ではないので…。本当に、簡単に済ませたんですよ」

「…例えば…?」

「そうですね…。まずは、星の形をしたおにぎりを…」

すげぇ。星の形のおにぎりだって。

「既にめちゃくちゃ器用じゃないか」

「違うんです、ジュリスさん…。市販のおにぎり型を買ってきたんですよ。星の形とか、ハートの形とか、色々あって…」

へぇ、そんなのあるのか。

そりゃ便利だな。

「それから、ご飯に混ぜるだけのキラキラふりかけを買ってきて…。お揃いの、可愛いピックに、コーンと枝豆と、角切りにしたチーズを刺して…」

カラフルだな。美味しそう。

「あとは、彩りにプチトマトと、ブロッコリーと…タコさんウインナーと…。バジルソースにつけて、緑色をつけた茹で卵と…」

「ほう…」

「デザートに、アイナの好きないちごをハートの形に切って、詰めただけです。…だから、本当に簡単なお弁当なんですよ」

いやいや。充分頑張ってるって。

成程ねぇ。そりゃお洒落だ。

「そうか…。アイナ、喜んでただろ?」

「はい…。私のお粗末なお弁当でも、本当に喜んでくれて…」

喜ぶ娘の姿を思い出したのだろう。

シュニィは、本当に嬉しそうにはにかんだ。

自分の作った料理を、大事な人が喜んでくれたら…それ以上嬉しいことはないよな。

「ですから、そんな…私のお弁当は、全然参考になりませんよ。きっとジュリスさんの方がお上手だと思います」

「いや、そんなことないって。あんたは充分頑張ってるよ」

「ありがとうございます。…ジュリスさんも、ベリクリーデさんの為に頑張ってあげてくださいね」

にこっ。

…ったく、俺はあんなにでっかい子供を引き取った覚えはないんだがな。

でも、キャラ弁を作る、と約束したのだから。

俺としても、出来るだけのことはやってみるよ。