という話をしていると、新人達も少しずつ、俺とルイーシュに打ち解けてくれたのか。
「あの…キュレム隊長。お聞きしても良いですか?」
ヴィリー君が挙手して、質問を投げかけてきた。
「おぉ、良いぞ。何でもどーぞ」
「聖魔騎士団の魔導師としての心構えと言うか…。新人騎士として身につけておくべき心得みたいなものはありますか?」
…めっちゃ抽象的な質問。
こういうの、シュニィちゃんなら上手に答えるんだろうなぁ。
元々俺、人にモノを教えるのは向いてないんだよ。
ブラマンジュちゃんに教えを請われた時も、教え方が分からなくて困ったもんだ。
「心構えねぇ…。そう言われても…」
「実は…お恥ずかしながら以前、学校にいた頃…とある企業のインターンシップに参加したんですが」
ほう?
「その時、ちょっとしたミスをしてしまって…企業の人に怒られたんです」
「…なんて?」
「こんなことも出来ないなんて、これだから最近の若い人は…。…みたいなことを言われて」
…うわぁ。
誰しも若い頃、一度は聞いたことのある台詞。
いたわ。俺も。若い頃。そんなこと言うおっさん。
つまんねぇミスでも、鬼の首取ったみたいに『これだから最近の若いのはw』って言ってくる老害。
何処にでもいるんだなぁ。
新人いじめて楽しいか?
「その時のことが、結構ショックで…。その時はインターンだったから、ミスをしても責任はほとんどありませんでしたが…」
「…」
「これからは、正式に聖魔騎士団に所属して、仕事をしていく立場なんだから…。今度こそあんなことは言われずに済むように、社会人としての心構えを、」
「それは無理だな」
即答。
「えっ…」
絶句するヴィリー君。
ごめんな?もっと気の利いたこと、言えたら良かったんだけど。
無理なもんは無理だ。
「良いか、ヴィリー君…。自分も昔、似たようなことを言われる度、君と同じことを思ったもんだ」
あの頃は、しょーもないことでマウント取ってきやがって、と腹の中で悪態をついたもんだ。
そして、こう思った。
自分は歳を取っても、絶対こんな老害にはなるまい、と。
…しかし、自分自身、年を経た今なら分かる。
「あのおっさん連中はな、自覚はないのかもしれないけど、君達若者が羨ましいんだよ」
「え…。羨ましい…?」
そう、羨ましいんだ。
若くて希望に満ちててキラキラしてて、髪の毛もふさふさでさ。
その点自分はと言えば、若さも頭の毛量も失われ、取り柄と言えば、ちょっとばかり人生経験を積んだことだけ。
「これだから最近の若いのはw」という、あの台詞は。
人生の折り返し地点を過ぎ、生え際の後退したおっさん達にとって、唯一マウントを取れる台詞なのだ。
別に君達が憎い訳じゃないんだよ。
「若くて羨ましいなぁ、髪の毛もまだふさふさで羨ましいなぁ、という妬み嫉みの現れなんだ。許してやってくれ」
俺は、ヴィリー君の肩にぽん、と手を置いた。
「それに、焦る必要はない。君達だっていずれ先輩になって、世代が交替して、ついでに生え際も後退する日が来るんだから」
「は、はぁ…」
「生え際って…。…関係あります…?」
ナルモ君が、ぽつりと呟いているのが聞こえたが。
関係あるに決まってるだろ。
「あの…キュレム隊長。お聞きしても良いですか?」
ヴィリー君が挙手して、質問を投げかけてきた。
「おぉ、良いぞ。何でもどーぞ」
「聖魔騎士団の魔導師としての心構えと言うか…。新人騎士として身につけておくべき心得みたいなものはありますか?」
…めっちゃ抽象的な質問。
こういうの、シュニィちゃんなら上手に答えるんだろうなぁ。
元々俺、人にモノを教えるのは向いてないんだよ。
ブラマンジュちゃんに教えを請われた時も、教え方が分からなくて困ったもんだ。
「心構えねぇ…。そう言われても…」
「実は…お恥ずかしながら以前、学校にいた頃…とある企業のインターンシップに参加したんですが」
ほう?
「その時、ちょっとしたミスをしてしまって…企業の人に怒られたんです」
「…なんて?」
「こんなことも出来ないなんて、これだから最近の若い人は…。…みたいなことを言われて」
…うわぁ。
誰しも若い頃、一度は聞いたことのある台詞。
いたわ。俺も。若い頃。そんなこと言うおっさん。
つまんねぇミスでも、鬼の首取ったみたいに『これだから最近の若いのはw』って言ってくる老害。
何処にでもいるんだなぁ。
新人いじめて楽しいか?
「その時のことが、結構ショックで…。その時はインターンだったから、ミスをしても責任はほとんどありませんでしたが…」
「…」
「これからは、正式に聖魔騎士団に所属して、仕事をしていく立場なんだから…。今度こそあんなことは言われずに済むように、社会人としての心構えを、」
「それは無理だな」
即答。
「えっ…」
絶句するヴィリー君。
ごめんな?もっと気の利いたこと、言えたら良かったんだけど。
無理なもんは無理だ。
「良いか、ヴィリー君…。自分も昔、似たようなことを言われる度、君と同じことを思ったもんだ」
あの頃は、しょーもないことでマウント取ってきやがって、と腹の中で悪態をついたもんだ。
そして、こう思った。
自分は歳を取っても、絶対こんな老害にはなるまい、と。
…しかし、自分自身、年を経た今なら分かる。
「あのおっさん連中はな、自覚はないのかもしれないけど、君達若者が羨ましいんだよ」
「え…。羨ましい…?」
そう、羨ましいんだ。
若くて希望に満ちててキラキラしてて、髪の毛もふさふさでさ。
その点自分はと言えば、若さも頭の毛量も失われ、取り柄と言えば、ちょっとばかり人生経験を積んだことだけ。
「これだから最近の若いのはw」という、あの台詞は。
人生の折り返し地点を過ぎ、生え際の後退したおっさん達にとって、唯一マウントを取れる台詞なのだ。
別に君達が憎い訳じゃないんだよ。
「若くて羨ましいなぁ、髪の毛もまだふさふさで羨ましいなぁ、という妬み嫉みの現れなんだ。許してやってくれ」
俺は、ヴィリー君の肩にぽん、と手を置いた。
「それに、焦る必要はない。君達だっていずれ先輩になって、世代が交替して、ついでに生え際も後退する日が来るんだから」
「は、はぁ…」
「生え際って…。…関係あります…?」
ナルモ君が、ぽつりと呟いているのが聞こえたが。
関係あるに決まってるだろ。


