神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

誰かが、シュニィに代わって、新人研修の監督役をやらなければならない。

それは分かった。

だけど…。

「…なんで、俺とルイーシュなんだ?」

他に、もっと適任がいるだろ。

「それは…。その、新人研修の監督は、必ず大隊長が行う、という規則があって…」

え、そうなん?

「今日、予定がない大隊長さんは…キュレムさんとルイーシュさん…」

「…つまり、暇人は俺達だけってこと?」

「ひ、暇人なんてことは…」

いや、良いんだぜ?はっきり言ってくれて。

仕事しろよ暇人共、って。

「それに…予定が空いているのは、お二人だけではなくて…もう二人…」

「え?じゃあ、そっちに頼んだ方が、」

「…そちらにいる、ジュリスさんとベリクリーデさんなんです」

シュニィは、ちらっとジュリスとベリクリーデの方を見ながら、申し訳なさそうに言った。

その、シュニィの視線の先では。

「ジュリス、まだ?もう良い?」

「ちょっと待て、ベリクリーデ。焦るな。この辺に小骨があるからな。ちゃんと全部取らないと…」

「ありがとー、ジュリス」

ジュリスはまだ、ベリクリーデちゃんの銀だらの西京焼きから、ちまちまと骨を取るという作業を続けていた。

こっちの話、全然聞いてない。つーか聞こえてない。

…もう、一生やってろよ。

「…ご覧の通りですので」

「…だな…」

今のジュリスには、とても頼れそうにないな。

…って、ことは。

「…やっぱり、俺達が引き受けるしかないようだな。…ルイーシュ」

「…えー…」

こら。そんな露骨に嫌そうな顔をするな。

余計にやる気がなくなるだろうが。

「本当に、迷惑をかけてすみません…」

ほらぁ。シュニィちゃんが責任を感じて、深々と頭を下げている。

「気にすんなよ。別に誰も悪いことした訳じゃないんだし…」

シュニィちゃんだって、休みたくて休んでんじゃないし。

アイナちゃんだって、熱を出したくて出したんじゃないし。

誰でも、どうしようもないことって、あるだろ。