神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

…その日の夜。




クロティルダは、腕の中にチビベリクリーデを抱いていた。

ベリクリーデは、クロティルダの腕の中で、猫のように丸くなって眠っていた。

クロティルダは、そんなベリクリーデの身体に、毛布をかけてやった。

…そして。

「…変わらないな」

寝息を立てるベリクリーデに、ぽつりとそう呟いた。

「こうしていると…お前は、あの頃からまったく変わっていないように見える…」

「…zzz…」

ベリクリーデはクロティルダの言葉にまったく気づかず、すやすやと眠っていた。

でも、別に構わない。

クロティルダのそれは、あくまで独り言だ。

…今はもう、誰一人気に留めることもない独り言。

「…だが、今度こそ同じ過ちは繰り返さない」

そして、決意だった。

幾星霜の時を経て、交わした約束だった。

「お前のことは、必ず守ってみせる…。だから、安心して眠れ。…我が姫」

ベリクリーデは、クロティルダの膝の上で眠っていた。

その顔は、クロティルダのいつかの記憶の中にあるものと、まったく変わっていなかった。