神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

…やれやれ、まったく。

無闇と月読にも、俺は事の次第を説明した。

無闇は淡々としていたが、月読は大袈裟なくらい驚いた。

「へぇ〜。そんなことってあるんだねー」

「そうか。それは大変だな」

そう。大変なんだよ。

「ねぇ、そのキノコって、まだ余ってないの?」

月読は、好奇心いっぱいの表情で尋ねた。

は?

ベリクリーデが食べた、あのメイカイチビチビキノコ、とやらか?

「いや…クロティルダが持っていったけど」

「なーんだ。もうないのかー」

…何故残念そうなんだ?

「もしまだ残ってたら、無闇君に食べてもらって、チビ無闇君を見てみたかったのになぁ」

「…俺は嫌なんだが?」

無闇に嫌がられてるぞ。

「えー?だって絶対可愛いじゃん?見てみたいじゃんっ?」

「やめてくれ」

「今度そのキノコを手に入れたら、絶対私に教えてね!」

…教えねーよ。

「よーしよし。可愛いねーベリクリーデちゃん」

小さい子が得意なのか、月読はよしよし、とチビベリクリーデの頭を撫でた。

ベリクリーデもちっとも嫌がらず、されるがままだった。

「私ね、月読って言うの。宜しくね」

「ちゅくよみー」

「そーそー!で、こっちの無愛想なのが、無闇君」

「みゅやみくん」

「おぉー。かしこ〜い!」

「えへへ」

ベリクリーデ、得意げ。

…まー、こういう時の顔は、そこそこ可愛らしいけども。

子供って憎めないよなぁ。

中身がベリクリーデだと思うと、余計に…。