神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

だが、チビベリクリーデの面倒を見るのは、口で言うほど簡単なことではなかった。




…ベリクリーデが小さくなってから、二日目。の、昼下がり。

「…すぴー…」

「はー…。やっと寝た…」

これで、やっと一息つける。

だが、あまりゆっくりはしていられない。

一時間くらいしたら、起こさないと。

また、昨日の二の舞いになってしまう。

というのも、昨日、昼寝をさせ過ぎてしまったようで。

夜になって寝かせようとしても、チビベリクリーデは元気が有り余っていて、なかなか寝てくれなかった。

大人のベリクリーデでさえ、落ち着きの無さに困ってるって言うのに。

この歳だと、余計に手がかかる。

そりゃもう大変だったんだぞ。昨夜は。

ちょこまかと動き回っては、手に掴んだものを口に入れるわ。

慌てて、床の上に直接置いている物を、全部撤去。

かと思えば、今度は捕まり立ちをして、棚や引き出しの中身を引っ張り出すわ。

で、それも口に入れようとするから、危なっかしくてならない。

結局、ベリクリーデの手が届く全ての範囲の物を、全部撤去する羽目になった。

その間にも、チビベリクリーデはやりたい放題。

気がついたら、箱ティッシュの中身を全部床にぶちまけるわ。

で、そのティッシュも口に入れようとしているわ。

慌てて止めて、取り上げた。

その後は、ひたすら散らばったティッシュを拾って、箱に入れ直した。

で、やれやれと一息ついても。

一時間後、ふとした隙を突かれ、また全部ティッシュをぶちまけられていた。

心折れるぞ。

落ちてる物を何でもかんでも拾って口に入れるその癖、この歳から治ってないらしいな。

万が一ティッシュを喉に詰まらせたら、大変なことになる。

ティッシュも高いところに撤去して、ようやく一安心。

…したのも束の間、部屋の中をちてっ、ちてっ、と危なっかしく歩き回り。

何故かゴミ箱に正面衝突して、後ろにすってんころりんと転んでいた。

…アホの子かな?

幸いベリクリーデに怪我はなく、ゴミ箱の中身が床にぶち撒けられただけで、事なきを得た。

畜生。

一生懸命ゴミ箱のゴミを片付けていると、今度はその背後で。

本棚の真ん中の棚にぶら下がって、よじ登ろうとするわ。

あまりにも危ないから、急いで抱っこして降ろしたが。

ちょっとでも目を離したら、またやってた。

馬鹿と煙は高いところに登るって言うが、あれは本当だな。

つーか、マジで危ないから駄目だって。

ここで、シュニィがわざわざ家から持ってきてくれた、メッシュ生地のベビーサークルが役に立った。

部屋の真ん中にベビーサークルを設置し、チビベリクリーデをその中に放牧。

これで、やっと一安心…したのも束の間。

チビベリクリーデは、自分の移動範囲が狭まったことが不満なのか。

イノシシみたいに、ベビーサークルに突進。

…したけど、跳ね返されて、勢いよく後ろにひっくり転がっていた。

…本当にアホの子かな?