神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

ってな訳で、お使いを仰せつかり。

早速、傘を片手に外に繰り出したのだが…。

「ぴっちぴっちちゃっぷちゃっぷ〜♪」

「…」

「らんらんらーん♪」

「…」

…雨の中、調子っ外れの歌を歌いながら、傘をくるくると回しているベリクリーデ。

恥ずかしいからやめなさい。

「…つーか、お前なんでいるんだよ?」

「ほぇ?」

「いや、ほぇ?じゃなくてさ…」

俺が外に出たら、当然のようについてきやがった。

「なんでついてくるんだよ。お前は部屋で待ってれば良かったんだぞ」

仕事を頼まれたのは俺であって、ベリクリーデじゃない。

それなのに。

「え?だって、ジュリス、お使いなんでしょ?」

「…そうだけど…」

「一人でお使いって、不安でしょ?だから一緒に行こうって」

ふざけんな。お前じゃないんだから。

俺は一人でも、お使いくらい行けるっての。

しかも、こんな土砂降りの雨の中なのに…。ベリクリーデは部屋で待ってれば良かったのに。

今からでも、ベリクリーデは帰らせ…。

「…」

「あらあらジュリスはずぶ濡れだー♪」

「…濡れてねーよ」

…まぁ、でも、いいか。

ベリクリーデは、ご覧の通りの間抜けな奴だからな。

一人にしておいたら、何しでかすか分かったもんじゃない。

仕方ないから、俺が傍で見張っておくとするか…いつもの通り。

それに、ベリクリーデは結構…寂しがり屋だからな。

一人で留守番なんかさせたら、また「ヤツ」を召喚する恐れがある。

あのムカつくほどに端正な、ムカつく顔を思い出して。

…イラッ。

よし。やっぱりベリクリーデを連れて行こう。そうしよう。

「…良いか。今から王宮に行くんだからな。大人しくしてろよ」

「はーい」

よろしい。