神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

…30分後。

俺とルイーシュ、それとジュリスとベリクリーデちゃんの4人で。

買ったばかりのジェラートを片手に、大通りを歩いていた。

「ありがとー、ジュリス」

「はいはい、良かったな」

ジェラートを前に、ベリクリーデちゃんは大喜びだった。

めっちゃはしゃいでて、可愛い。

ちなみにベリクリーデちゃんは、イチゴジェラートをチョイス。

俺はヘーゼルナッツ味、ルイーシュはラムレーズン味。

そしてジュリスは、カフェラテ味を選んだ。

「なんだよカフェラテって。大人ぶりやがってお前」

「別に良いだろ…。つっかかってくんなよ」

だって、カフェラテ味だぞ?

いかにも大人っぽいフレーバー。

…え?偏見?

うるせぇ。

まぁ良いけどさ。奢ってもらったし。

「それよりベリクリーデ、早く食べろよ。溶けるぞ」

「あ、そうだね。…それじゃ、いただきまー、」

す、とベリクリーデちゃんがジェラートにかぶりつこうとした、

その時だった。

突然、ベリクリーデちゃんの後頭部に。

背後から、ポーンと飛んできたサッカーボールが、ゴツッ、と鈍い音を立ててぶつかった。

「…!?」

あまりに突然の出来事に、誰も声をあげることが出来なかった。

突然の奇襲攻撃(?)で、ベリクリーデちゃんはコケッ、とつんのめり。

転倒は何とか免れたものの。

「あっ…!?」

ベリクリーデちゃんが持っていたイチゴジェラート(まだ一口も食べてない)が、べチョッ、と地面に落っこちた。

…一連の出来事は、全部1秒以内に起きたことなのだが。

びっくりし過ぎて、誰も動けなかった。

…ある?こんなこと。

驚いて、目を丸くしたまま振り向くと。

そこには、小学校低学年くらいの少年達が、三人。

真ん中の少年は、目を真ん丸にして、サッカーボールを蹴っ飛ばした、その体勢のまま固まっていた。

三人共、顔が青ざめていた。

「あ、ヤベェ」の顔だ。

悪戯とか、嫌がらせのつもりじゃなくて。

多分、前方に俺達がいることに気づかず。

友達同士でふざけて、サッカーボールを蹴飛ばしたのだろう。

で、それが運悪く、ベリクリーデちゃんの後頭部に激突した。

…そんなことある?…って思われるかもしれないけど。

…あったんだから、仕方ないだろ。

ベリクリーデちゃんの後頭部に激突したサッカーボールが、地面にてん、てん、と転がり落ち。

ころころころ…と、1メートルほど転がったところを。

ルイーシュが、ひょい、と足で止めた。

「…」

ベリクリーデちゃんは、自分に何が起きたのか理解出来ないのか。

きょとーん、として、それから。

地面に落っこちて、無惨に潰れてしまった、イチゴジェラートを見下ろしていた。

「べ…ベリクリーデ、だいじょ、」

慌てて、ジュリスが駆け寄ろうとしたら。

ベリクリーデちゃんはひょいっ、と顔を上げ、ジュリスの方を見て、

「…ふぇ」

ぶわっ、とその両目に涙が浮かんだ、刹那。

…ジュリスの顔色が、一変した。