神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

ザリガニ味噌汁も美味しかったが、やはり川で獲れたばかりのアユは格別だった。

「うめー…。やべーよこれ。めっちゃ美味い」

キュレムはアユにかぶりついて、感動していた。

「魚は嫌いですが、これは美味しいですね」

魚嫌いのルイーシュも、お褒めの言葉。

そりゃ良かった。

「ベリクリーデ…。…美味いか?」

「おいしー」

「っておい、骨ごと食うなよ」

あろうことかベリクリーデは、アユを頭から尻尾まで、バリバリと丸ごと食べていた。

顎、つよっ…。

内臓、抜いといて良かった。

「美味しいね、クロティルダ。釣ってくれてありがとう」

「俺は大したことはしていない。礼ならジュリスに言ってやってくれ」

「ジュリスありがとー」

「お、おう…」

いや、アユ釣ったのお前だから。

俺はただ、焼いただけだから。もっと誇れよ。

「今度は浮き輪を試しに、海に行こうね」

「海か…。…もっと良いものが釣れそうだな」

「良いもの…。クジラとか釣れるかなっ?」

噴き出すかと思った。

目をキラキラさせて、何をアホなこと言ってんだ。

しかも、クロティルダも。

「そうだな。釣れるかもしれない」

釣れねーよ。

仮に釣れたとしても、絶対持って帰ってくるなよ。

…良いか、絶対持って帰ってくるなよ。





END